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グリーンコンサルタント 緑の総合研究所

樹木医 金田正弘 

調査と診断



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1. 浦河町西舎の桜並木

浦河町西舎の桜並木の写真1 
浦河町西舎の桜並木の写真2桜並木の調査
浦河町西舎の桜並木の写真3土壌調査

 西舎(にしちゃ)の桜並木は1907年、日高種場牧場時代に植栽され樹齢100年以上の古木があり、日高三大桜の一つにあげられるエゾヤマザクラの名所です。2011年5月~10月並木の将来に向けた保護、保全活動に向けた調査が始まりました。


 樹木診断における土壌調査は重要な項目です。専門性の要求される調査・診断は豊富な経験と関係器具なしではできません。


 3km、1000本以上の桜を1本ずつ目視で調べる調査は季節変化の状況を見るため、5月~10月に及ぶものです。将来に向けた保護、保全活動に向けた診断書、及び提言書を浦河町役場に提出しました。調査診断にあたり、4名の樹木医、土壌調査は真田勝(8期樹木医)氏の協力で実施したものです。


 2012年春から本格的な西舎桜並木の樹勢回復活動が実施され今年3年目を迎えようとしています。

2. 苫小牧市青翔中カラマツ精密診断(2013年10月7日)

19本のカラマツ並木19本のカラマツ並木
レジストグラフ精密診断
レジストグラフ精密診断レジストグラフ精密診断
目視診断(打音)目視診断(打音)

 苫小牧市拓勇地区開拓ゆかりのカラマツ(樹齢80年程)19本があります。現在、苫小牧市青翔中の東側敷地外周に並木を形成しています。住宅地と臨接し倒木の危険性があるということで、調査診断することになりました。


 市内で初めてレジストグラフ(ドイツ製)による精密診断の実施で、施工は南幌町の(7期)吉田樹木医です。細い針(L=30cm)を幹材内部に貫入し針の抵抗値がグラフ上に示されます。


 通常は目視診断で実施されますが、見えない材内部を、より正確に診断する精密診断があります。積み重ねた経験と、示されたデータを分析する高度な診断技術が要求されます。レジストグラフは針を貫入する破壊検査ですが、γ(ガンマー)線、CTスキャン等高度な機器を使用する非破壊検査が、樹木診断に用いられるようになっています。

3. 開拓のハルニレ調査

開拓のハルニレ調査の写真             太枝の剝離落下(9月3日)               危険枝の処置(11月4日)

「この樹は本別町の発展とともに成育してきたもので、同町開拓の歴史を物語る記念木といえます(北海道の巨樹・名木より)」


 樹高25m、幹周510cm道内のハルニレの大きさランク8位に位置する貴重なハルニレです。9月3日の強風をうけ北側幹h=10m程の太枝が剝離落下し(赤丸印)、公園のパーゴラを直撃しました。十勝総合振興局、本別町役場農林課の依頼をうけ調査・診断を行ないました。道内に開拓の指標として残されたハルニレは多く、道の保護樹に指定されています。材内部が腐れやすい開拓のハルニレは要注意といえるでしょう。


 今回の診断をうけて11月4日ハルニレ頂部落下危険枝の切除作業が実施されました。一命は取りとめたものの保護樹の樹形を損なう極めて大きい代償となりました。

開拓のハルニレ断幹後の樹姿
開拓のハルニレ断幹後の樹姿開拓のハルニレ断幹後の樹姿

 断幹1年後の樹姿です(7月26日)。わずかに残った枝から旺盛な緑葉が発生していました。新設の案内板に処置経緯が記入してあります。本別町開拓のハルニレ、何とか生き残ることを望んでいます。


案内板案内板

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